KTSMを会得したことで、
仕事との向き合い方に
どんな変化が出ましたか?
2019年頃に参加したKTSMの研修を通じて、これまでのKTSMが非常に危険だったと気づきました。嚥下機能が低下している方への「美味しいですか?」といった返答を促す声かけはリスクが高く、「飲み込んでください」や「ゆっくり食べてください」といった安全な声かけが重要であると学びました。また、テレビなどの外部刺激を排除し、集中して食事に取り組める環境作りが命に直結することを知り驚きました。さらに、正しい姿勢が食事のしやすさに大きな影響を与えることも衝撃的でした。この研修を通じて、利用者の幸福を支えるためには、自分の技術向上が不可欠であり、繰り返し研修に参加して技術を磨く必要性を強く感じています。
KTSMは、
あなたにとってどんな存在ですか?
利用者さんが自分の力で食べたいものを食べるためには欠かせない技術・考え方であり、介護の仕事をする上で自分にとって絶対的な存在だと感じています。
KTSMがなかった時、
どんなことが起こってしまう
リスクがありますか?
KTSMが適切にできなければ、利用者さんが本来持っている力を発揮できず、それを奪ってしまうことになります。
KTSMを通して
実現したい世界観は?
KTSMは食事だけに焦点を当てがちですが、実際には利用者さんの生活全体を見据えたケアを行う学問です。例えば、夜に十分な睡眠がとれていなければ、食事中に眠くなってしまうこともあります。そのため、食事の場だけの対策ではなく、夜しっかり眠れる環境を整えるなど、利用者さんの1日全体を見て食事の改善を考えることが重要です。食事・排泄・入浴といった断片的な事象ではなく、生活全体を通して改善点を見つけ、利用者さんの幸せにつなげたいと思っています。
あなたにとって
プロフェッショナルとは?
介護の仕事では、利用者さんのことを深く理解し、その人の本来の力を引き出しながら、その人らしさを大切にした生活を支えることが大切です。この仕事を突き詰めて自分のものにしていくためには、やはり介護を好きになり、探求し続ける気持ちが必要だと感じます。大変なことも多いですが、それでも楽しむこと、楽しむきっかけや理由を持つことも大事だと思っています。
実は、利用者様に、いつまでも自分の口から食事を召し上がっていただき、幸せな食事を楽しんでいただくための食事介助技法があります。それを私たちは「KTSM」と呼んでいます。「口から(K)食べる(T)幸せを(S)守る(M)」の略です。
KTSMのノウハウを開発され、普及・啓発活動をしている団体から定期的に研修を受け、それを介護現場で実践しています。