介護事業所における事務職は、主に電話対応や来客対応といった窓口業務が中心です。この役割では、利用者様のご家族や他の福祉事業所、医療機関、市町村など、さまざまな方からの電話に対応し、必要に応じて担当者に正確に取り次ぐ中継役を担います。
来客対応では、ご家族へのサービス提供に関する案内や、お客様を応接室に案内する役割も重要です。このように窓口業務は、事業所の顔としての役割を果たすため、基本的なマナーや心地よい接遇の心得が求められます。相手に不快感を与えないよう、また心地よく感じてもらえるような対応を心掛けることが重要です。
介護事業所における事務職の重要な業務の一つは、介護報酬を請求するための「介護給付明細書(レセプト)」の作成です。利用者様が介護保険サービスを利用する際、実際にかかる費用の1割から3割を自己負担し、残りは市町村が負担します。この市町村が負担し、介護事業所に支払うお金を「介護報酬」と呼びます。
介護事業所は毎月、国民健康保険連合会を通じて市町村に対し、介護報酬を請求しなければなりません。そのために必要な介護給付明細書を正確に作成します。また、利用者様にご負担いただく分については、個々の負担割合を計算し、請求書や領収書を作成してお届けします。
さらに、事業所の備品管理や施設内外の設備管理、経理業務、職員の労務関係業務なども事務職の重要な役割です。これらの業務は、事業所が円滑に運営されるための「縁の下の力持ち」として機能しています。